タカコの家に、キッぺーが、挨拶にきている。 「お義父さん、娘さんをください」という、アレである。 落ちつかないキッペー。しきりに、テーブルのポッキーに手をのばす。 ただでさえプレッシャーのかかる場面ではあるが、 タカコの実家が想像以上に…デカい。 タカコのお姉さんは、街で自転車屋の奥さんをやっているはず。 こんな裕福な家の娘だったなんて思ってもいなかった。 自分との生活レベルの違いを見せつけられて、 男としての自信を若干失いかける。 「姉貴は、駆け落ちしてこの家を飛び出して、勘当同然。 私は私で仕事もあるしで、 この家にはしばらく寄りついてなかったのよ。 うちの家は三代つづいた商売人だけど、 どうやらわたしの代で、財産を食いつぶしてオワリね。ははは」 タカコの口から事情を聞いても上の空のキッペー。 プレッシャーに耐えかね、帰ると言い出す。止めようとするタカコ。 もみあっている間にソファに倒れ込む。 そのまま、普段の「プロレスごっこ」のように、 いい感じになってしまう2人。 が、最悪のタイミングであの人が入ってくる。 |
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