彼からの電話で、夜の遊園地に呼び出されたタカコ。 来てみると…人影はなく、辺りは真っ暗。 「どういうつもり、あいつ!?」 そもそも今日は、タカコの誕生日なのだ。 まさか、忘れているのだろうか。 電話のきり際に「おめでとう」の一言でもあったなら 勘弁してやるつもりにもなれたろうが…。 ちょっとやそっとのことでは機嫌はなおしてやらないことに腹を決めた。 そのとき、彼の声。遊園地に明かりが一斉にともる。 あいつ、覚えていてくれたのだ。うれしさが爆発するタカコ。 遊園地ひとつ借り切るとは。随分大胆というか、半分バカだ。 が、そこまで自分のためにバカをやってくれる恋人に、 タカコは不覚にも感動さえ覚えた。 家には持って帰れないが、プレゼントとしては上出来の部類だろう。 |
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