- INTRODUCTION
- 紘(佐藤浩市)は証券会社に務める30半ばの働きざかりである。彼には父親がいない。母親には“死んだ”と聞かされて成長した。一流大学を出て証券会社に入社、良家の美しい娘(斉藤由貴)と結婚し、妻の実家にかわいい息子とともに寝起きしている。“自分は順調な人生を進んでいる”紘自信はそう思っていただろう。どこかでそう思おうとしていたのかもしれない。父親のことなど忘れ、母親のことさえ忘れようとして・・・。 が、ある日、会社からの帰り道、紘は見知らぬ男に呼び止められる。一見、ほとんど 浮浪者風である。男(山崎努)は紘に「俺はお前の父親だ」と告げる。混乱する紘。 その日以来、男は家に住みつき、彼の人生を揺さぶり始める・・・。
- Note
- 原作:村上政彦「ナイスボール」(芥川賞候補作)集英社文庫刊
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